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HOME > 製品・技術を開発する > 2030年に向けたビジネスの種

2030年に向けたビジネスの種 −未来の市場にはチャンスがある


ライフスタイル編

「電気、貸してください」とお隣さんが訪ねてきます。

人々はかつて、しがらみを断ち切るために長屋の暮らしを止め、プライバシーを極力守る住居を選びましたが、そうした進化の中で地域の絆(きずな)はなくなっていきました。

地区ごとに、現在の共用電池の残量が表示されていた。

その傾向に歯止めがかかったのは、プライバシーを保ちながらライフラインとしてのエネルギーを分け合う「地域共用電池」の設置が発端でした。

日常的には、家ごとに太陽光発電パネルが設置され、発電した電気は各棟ごとの電池に蓄電され使用します。しかし、旅行に行くときなど、自分が発電した電気が余る場合には、共用電池に自動的に貯まるようになっています。

この電池が、雨が続いたときに住民たちを助けます。電気を売買するのではなく、溢(あふ)れ出た自然エネルギーはみんなで分け合うという日本的なおおらかにさによって、「プライバシーを保ちながら助け合うコミュニティ」が生まれています。

(出典:石田秀輝、古川柳蔵、電通 グランドデザイン・ラボラトリー、「キミが大人になる頃に。―環境も人も豊かにする暮らしのかたち」、日刊工業新聞社、2010)

解説バックキャスティング

心の豊かさと制約とのバランス

日本には古来、山やそこから取れる薪・枝葉などの燃料、そして、水を共有している地域がありました。地域の人々は協力してその山に薪を取りに行き、木小屋に積み、それを自由に使えるようにしていました。

なぜでしょうか。山、燃料、水を共有しても、必ずしも、家を共有することはありませんでした。家で食事をする時には、箱膳を使い、自分のお膳でご飯を食べ、最後は自分で手入れをして片付けていました。自分のものだから大事に箱膳を使っていました。さらに、子供には子供専用の大きさのお膳があり、成長すると良いお膳に変わるという、成長を感じるしくみがありました。

このように、昔から日本には、共有するものと自分で保有するものの両方が存在していたことがわかっています。これはおそらく、暮らしにおける心の豊かさと暮らしにかかる制約とのバランスが異なるために生じているのだと思われます。

ものが希少であれば、それを共有するということは合理的です。ただ、それと引き換えに人とやり取りをしなければならず、仲が良い場合は問題ありませんが、仲が悪くなった場合に共有はやりにくいものです。そして、所有欲を満たしません。

一方で、箱膳の場合は所有欲を満たして、ものを大事にするという効果を利用したうまいしくみになっています。いくらでも箱膳を購入できる状況ではなかった時代では、所有欲に火がつけられて、大量生産、大量消費の状態にはならなかったのかもしれません。ものが希少であるという制約と心の豊かさをどこまで求めるかのバランスが、このように共有と個人所有という2種類の使い方を生み出したのだと思います。

バックキャスティングにより未来の暮らし方を描く場合、どうなるでしょうか。将来、エネルギーや資源が高価になることを考えると、エネルギーや資源の使い方が変化する可能性があることはもうお分かりかと思います。戦前の暮らしほどにはならないにしても、エネルギーや資源の制約はかかってきます。それであれば、現在のようにエネルギーの個人所有ではなく、自然エネルギーを蓄電池の中で共有し、それを使い合いながら、電気の貸し借りをして楽しむ、新しい心の豊かさを求めることもできるかもしれません。

現在、宮城や秋田、首都圏などで、このような使い方がうまくいくのか、実証試験を開始しようとしています。

掲載日:2013年2月 6日


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