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HOME > 製品・技術を開発する > 2030年に向けたビジネスの種

2030年に向けたビジネスの種 −未来の市場にはチャンスがある


ライフスタイル編

ダークな世界を人々は楽しんでいます。

都会の夜が暗くなりました。

暗い街を明るく照らす太陽光パネルマンホール。

世界的なエネルギー価格の高騰によって、都会のオフィスビルやビジネス街の灯りは、夏なら20時、冬なら18時で基本的に落とされるようになっています。

代わりに、昼間に太陽光のエネルギーを貯めて、夜間に自動発光させる「太陽エネルギー蓄電型の灯り」だけがほのかにともっています。また、道には治安のため、人が歩くときだけその周囲を柔らかく照らす「スポット街灯」や「柔らかく光る壁面」などが設置されています。

街全体が暗くなったぶん、月や星がよく見えるようになり、街のあちこちに誰でも利用できる月見台や星空観測所が置かれ、人々は暗い世界を満喫しています。家に「月明かりや星を楽しむ天井小窓」を取り付ける人も増えました。

夏には子どもたちが集まって、「暗いビジネス街や廃ビルで肝だめし」が開かれ、ほの暗さを楽しむ文化が生まれています。

(出典:石田秀輝、古川柳蔵、電通 グランドデザイン・ラボラトリー、「キミが大人になる頃に。―環境も人も豊かにする暮らしのかたち」、日刊工業新聞社、2010)

解説バックキャスティング

発想の転換を繰り返し行う

私たちの社会では、現状のエネルギー利用方法や量を変えようとせずに、エネルギー供給量を維持または増やすことで、現状の生活や経済を維持しようとする傾向があります。この傾向は、原子力発電所の再稼働や新設に関する議論にも垣間見えます。日本が長期的に原子力発電所を用いない社会を目指した場合、生活を維持できるかどうか、企業経営に大きなダメージを与えるかどうか、という議論です。

しかし、これらの議論は、新たなライフスタイルへの転換や、企業における事業領域のパラダイムシフト、という選択肢が無視されたまま展開されています。新たな、低環境負荷で持続可能なライフスタイルへと長期的に転換するという可能性の議論はほとんどされていません。また、将来、企業競争力を高めるために事業領域を将来の環境制約に合わせてパラダイムシフトするという可能性の議論もされていません。正しい選択をするためには、しっかりと選択肢を議論することが必要ではないでしょうか。

「ダークな世界を人々は楽しんでいます。」というライフスタイルの中で展開されている物語は、前述のような「選択肢を検討できない」という壁をどのように越えていくのかということについて示唆を与えるものです。

この物語では、エネルギー価格の高騰を素直に受け入れています。先人の日本人が自然の猛威を受け入れてきたことと同じ感覚です。地球環境は限られたものであり、無尽蔵に使えるものではない、という事実を受け入れるのです。その結果、少ないエネルギー使用量の中で、いかに心豊かに暮らすことができるかを検討できるようになります。津波が来ることがわかったら逃げる、という行動そのものです。

あかりの使用が限られてくれば、暗いからこそできることを探し、暗いときほどうまくいくことを探すのです。都市では夜空の星は見えませんが、暗くなれば見ることができるでしょう。ほのかなあかりは心を癒してくれるでしょう。壁を乗り越えるためには、この発想の転換を繰り返し行っていくことが必要なのです。

掲載日:2013年1月 9日


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