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HOME > 製品・技術を開発する > 2030年に向けたビジネスの種

2030年に向けたビジネスの種 −未来の市場にはチャンスがある


ライフスタイル編

「土ミシュラン」が、過疎をなくしています。

都市までの距離や駅から何分といったものさししかなかった不動産の世界が変わりました。土の質を評価した「土ミシュラン」がはじまり、格が高い土地の価値が上昇。過疎に向かいつつあった地方に「ベランダ農地付きマンション」や、1アールほどの農地がついている「農地付き住宅」が分譲され好評です。

土に刺すとそのクオリティがわかる簡易測定器。

土に刺すとそのクオリティがわかる簡易測定器。

ことのはじまりは、エネルギー価格の高騰やCO2規制で輸入食品が高騰したためでした。人々は、自給自足は無理でも、日常的に消費するイモやマメ、野菜類を自家栽培し暮らしを安定させようと考えはじめたのです。

農作業の初心者にとって最大のハードルであった耕すという苦労は、その時期だけ近所の農作業コミュニティが助けてくれることで乗り越えました。

小学校では校庭の隣の畑で、無農薬で野菜を育てる方法、豊かな土壌をつくる方法が「必修科目:農業」として教えられています。

(出典:石田秀輝、古川柳蔵、電通 グランドデザイン・ラボラトリー、「キミが大人になる頃に。―環境も人も豊かにする暮らしのかたち」、日刊工業新聞社、2010)

解説バックキャスティング

土地評価のものさしが変わる

駅から近いという価値観が不動産の評価を決定するという現象は絶対的なものではありません。食料供給が安定した状態だからこその価値観です。土地は生きる上で大事なものです。いざという時に食べ物をつくることができるからです。東日本大震災でいざという時が長期間訪れた地域では、土地を持っている場合と持っていない場合では大違いでした。マンション住まいでは焚火をすることもできなかったのです。

バックキャスティングをすると、このように完成された社会基盤に基づく価値観が通らない可能性が見えてきます。特に、食料という、人間が生きていくために必須なものが安定供給されなくなるという大事な局面を迎えると、土地への評価のものさしが変わってくることがわかります。

「土ミシュラン」のライフスタイルは、その食料供給不安がきっかけで土地に対する評価のものさしが徐々に変化し、その後、趣味としての自家栽培が広まり、土地を評価するための様々なサービス(土ミシュラン)や商品(ベランダ農地付きマンション、農地付き住宅)が登場し、やがて、農作業コミュニティという地域活動へ展開し、最終的に小学校でも農業を教えるようになる世界が描かれています。

フォーキャスティングで考えると、例えば、このライフスタイルに関連して「植物工場」という言葉が思い浮かびます。この「植物工場」という概念に基づいている限りは、生活者の土地に対する価値観が変わることが予測できません。労働者がいて植物工場で食物を生産するという姿は、既存のビジネスシステムがどのように変化するかについても示唆を与えません。

しかし、バックキャスティングでライフスタイルを考えると、生活者の価値観の変化が見えてきます。また、心豊かなライフスタイルとそれを支える新しいビジネスシステムが見えてきます。バックキャスティング手法によるライフスタイル・デザインは、ビジネスシステムの変化まで捉えることができるのです。

掲載日:2012年9月12日


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