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HOME > 製品・技術を開発する > 2030年に向けたビジネスの種

2030年に向けたビジネスの種 −未来の市場にはチャンスがある


ライフスタイル編

公園が、テーマパーク化しています。

ある地方では、土間があり、靴を脱いで裸足で入る公園ができました。土、粘土、砂、砂利、アスファルト、セラミック、芝生など、いろんな地面でできていて、歩くたびに足の指の隙間から、その感触が伝わってきます。公園の両脇には高垣が植えられ、晴れていない日には木陰で土の湿りを楽しみます。

公園には、ピタピタ足裏の感触を楽しむ少女がいた。

公園には、ピタピタ足裏の感触を楽しむ少女がいた。

この「タッチパーク」という名の公園がつくられたのは、高齢化と人口減少によって使われなくなった道路が増えたのがきっかけでした。その使い道を考えていた役所の職員が、地元に住む建築家や学者たちに相談して感覚を育はぐくむ公園にしました。

他の地方でも、「香りを楽しむ公園」、「視力を鍛える公園」、「大人しか入れない公園」など、「テーマを決めた公園づくり」が盛んです。

行政や政治家も、大きな公園をつくるのではなく、個性のある公園をつくることに力を入れ、その企画力を競っています。

(出典:石田秀輝、古川柳蔵、電通 グランドデザイン・ラボラトリー、「キミが大人になる頃に。―環境も人も豊かにする暮らしのかたち」、日刊工業新聞社、2010)

解説バックキャスティング

子どもも遊ぶ、大人も遊ぶ

かつては、山や空き地が遊び場でした。道路も子どもの遊び場だったのです。そのようなおおらかさはいつしか少なくなり、今では子どもは整備された公園で遊ぶようになりました。特に、都会ではこれが加速しています。ボール投げ、サッカー、野球が禁止されている公園が増えてきました。付近の住民が「遊ぶ音がうるさい」と嫌がっているというのが、その理由のようです。

かつては、周囲の人に迷惑を少しかけながら自由に遊んでいましたが、今の暮らしでは、人に迷惑をかけずに、少し不自由に遊ぶようになったのです。これは公園という空間と人々との関わりがわずかに変化したことによります。

ライフスタイルは、何かを手に入れようとすると、何かを失うことになります。かつての持続可能なライフスタイルは、物質循環と心の豊かさが完全に整合しているため、何かを新たに追加すると何かを失ってしまうということが容易に起こります。何か良いことをしたとしても、何か良いことが失われてしまうという、思わぬ悪いことが起こってしまうのです。トレードオフが生じているからです。個人主義を尊重しすぎると必ず社会にひずみが生じるのです。ライフスタイル・デザインをする時には、この関係の存在を理解しなければなりません。

ここでデザインしたタッチパークで遊ぶライフスタイルは、テーマを決めた公園で、大人も子どもも遊ぶシーンを描いています。大人と子どもの両者に、もちつもたれつの関係を持たせています。子どもも遊ぶ、大人も遊ぶのです。

そして、公園の新設は、余るであろう道路の有効利用になっています。利害関係のない土地を、近所の人々がみんなで利用し合うという関係性がライフスタイル・デザインの鍵になっています。実際に実現するためには、狭い細長い土地という制約の中で如何に心の豊かさを持たせる空間を設計できるかがポイントになるでしょう。

掲載日:2012年7月 4日


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