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HOME > 製品・技術を開発する > 2030年に向けたビジネスの種

2030年に向けたビジネスの種 −未来の市場にはチャンスがある


ライフスタイル編

歩行者中心に考えたら、道がくねくねしはじめました。

人々は、碁盤の目のように区画整理された道をつまらないと思うようになりました。目的地までの合理性よりもその過程を楽しめる街づくりが流行っています。

くねくねした道で拾ったドングリを、子どもが見せてくれた。

くねくねした道で拾ったドングリを、子どもが見せてくれた。

自動車が減少し、「歩行者中心の街づくり」が推進された結果、再開発地域では「くねくねとした歩道」がつくられるようになっています。

季節によって色合いの変化を楽しめる生垣をつくったり、歩いてきて一息つくのにちょうどよい場所に木々を植えたり。

歩く人の目線が単調にならないよう工夫を凝らすことで、子どもたちが昆虫や鳥や花や木々に目を向けるようになり、大人たちには季節の匂いやいろどりを感じてもらえるようにしています。

街ごとに「都市計画アドバイザー」を地元の建築家や学者で組織し、地域の歴史にあわせた道づくりを考案。その出来が街の価値を大きく左右するため、人々の関心も非常に高まっています。

(出典:石田秀輝、古川柳蔵、電通 グランドデザイン・ラボラトリー、「キミが大人になる頃に。―環境も人も豊かにする暮らしのかたち」、日刊工業新聞社、2010)

解説バックキャスティング

実際に町中を歩いてみて気づくこと

子どもは、よく寄り道をしたり、わき道にそれたり、側道の植木に虫を見つけます。一つのことをまっしぐらに成し遂げようとするのは大人の精神であって、従来の子どものような感受性豊かな人が取る行動は横にそれるものです。子どもの好奇心には広がりがあるからです。

子どもの頃にどこかに行って帰って来ると、いろいろな生き物に視線が行き、それが道の記憶として残ります。あの道を歩いていたら大きなカエルがいた。自転車であの道を走っていたら、小さな虫の大群が頭の上をずっと追いかけて来ていた―。道は移動するための場所だけでなく、楽しみを与えてくれる場所でもあったのです。

下町のくねくねした道はライフスタイルを生み出していました。くねくね道は人々に楽しみや心の豊かさを与えてくれていたのです。しかし、都会の道路は、ライフスタイルを与えてくれるところではなくなり、ただ単に機能を与えるところになってしまいました。

自動車優先で道をつくる場合、誰が考えても真っすぐな道路をつくります。事故が少なくなるでしょう。道に迷うこともなくなるでしょう。ネガティブな要素を減らすためのしかけは考えようとしますが、その道路を使用する人の心を豊かにするようなしかけを考えることはあまりしません。

自動車を使って走っている道を歩いてみるとすぐ気がつくはずです。車が、なんてうるさく、なんて空気を悪くしていることでしょうか。そして、歩いてみるとすぐ気がつきます。側道の草木のざわめき、季節によって変わる色合い、自分の歩みに反応する虫の鳴き声が心を癒してくれるのです。

フォアキャスティングの考え方では、自動車優先の街づくりになってしまいます。バックキャスティングにより歩く人が増えることを想像し、実際に自分で町中を歩いてみてようやく、見落としていた楽しみや心の豊かさに気がつき、歩行者中心に考えることができるのです。

経済を活性化させるための道をつくりたいのか、そこに住む人々が心豊かになれる道をつくりたいのか、どちらを最優先するのかはっきりさせなければなりません。そうすることで、くねくね道が増えていくことでしょう。

掲載日:2012年6月 6日


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